社長メッセージ

収益性の上昇により5期連続で最高益を更新しました
「創る力」と「造る力」を深化させ「会社を強くする」ことに注力してまいります

事業環境・業績

2024年度は、PC・スマートフォンなど民生機器の需要に本格的な回復がみられず、半導体の量産用途における設備投資は低調に推移しました。また、EV需要が当初の想定を下回ったことでパワー半導体向けの投資意欲も減退しました。一方、生成AI関連の高性能半導体向けでは、半導体メーカ各社が積極的な設備投資を継続しました。これにより、当社では付加価値の高い装置製品の出荷が大幅に増加するとともに、消耗品である精密加工ツールの出荷が堅調に推移した結果、出荷額は過去最高を記録しました。
これらの市場環境に加え、為替の恩恵やPIM活動による付加価値創出・原価低減などにより売上総利益率は70%台に到達。結果として、大幅な増収と収益性の向上により5期連続で最高益を更新しました。
株主還元につきましては、配当方針に基づき、業績連動型の配当および余剰資金からの追加配当を上乗せして1株あたりの配当金は過去最高の年間413円とさせていただきました(中間124円、期末289円)。

今後の見通し

依然としてPC・スマートフォンなど最終製品需要の本格的な回復が見通せない状況の中、足元の世界経済を取り巻く環境は関税政策を始めとする地政学リスクなど、先行きが不透明な状況が続いています。一方で、生成AIを始めとする新しい技術が立ち上がり、新たなアプリケーションへの期待も高まっています。
新しい技術が市場で立ち上がるタイミングを予測することは困難ですが、中長期視点で多様な研究開発テーマに取り組み、対応力を高め続けることが結果的にその時々で必要とされる需要に応えることにつながると考えております。
今後さらに増え続けると見込まれるお客様からの技術開発テーマに対応するため、羽田R&Dセンターの新棟建設に加え、広島事業所・郷原工場の建築を進めてまいります。
当社はあえて自社内に製造機能を保有し続けることが重要であると捉えており、製造拠点を強化し続けることで市場対応力や企業競争力が向上すると考えております。
技術開発における「創る力」と物づくりにおける「造る力」を競争力そのものとして捉え、当社の強みを深化させてまいります。

引き続き「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」に全力で取り組むことでステークホルダーとの価値交換性の向上を図ってまいります。

今後も企業理念である「DISCO VALUES」やWill会計、PIM活動など組織経営と事業経営の両面に注力し「会社を強くする」ことで企業価値向上に努めてまいります。
ステークホルダーの皆様におかれましては一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2025年6月
代表執行役社長 関家 一馬