社長メッセージ

上期業績は多様なアプリケーション・高付加価値製品の展開により過去最高のGP率を記録しました。
引き続き高度なKKM技術を事業の核として「会社を強くする」施策に注力してまいります。

事業環境・業績

2023年度は、地政学リスクの高まりなどを背景に資源価格の高騰や物価の上昇、さらにサプライチェーンの動向に変化が見られるなか、顧客である半導体メーカはPC・スマホ・民生機器など最終製品の需要鈍化によりIC向けの設備投資を抑制する動きがみられました。一方、世界的な電気自動車(EV)シフトや脱炭素社会に向けて需要が高まるパワー半導体向けの投資を活発化させるなど、用途によって強弱感がみられました。
このような事業環境において、当社は半導体メーカの研究開発用投資やパワー半導体向けの需要が好調だったことから工場はフル稼働を継続し、グラインダを中心に精密加工装置の出荷は底堅く推移しました。業績は減収・減益となりましたが、高付加価値案件の増加やPIM活動による付加価値創出と原価低減などにより売上総利益率は着実に上昇しております。

株主還元につきましては、配当方針に基づき、業績連動型により1株あたりの配当金は76円(前年中間94円)とさせていただきました。

※株式分割を考慮した場合

今後の見通し

依然としてPC・スマホなど最終製品需要の本格的な回復が見通せない状況ですが、EVシフトや省エネ需要拡大を背景にSiCパワー半導体向けの需要継続と生成AI関連向け装置の出荷は高い水準で推移すると見込んでおります。
足元で需要が高まっているSiCや生成AI向け高性能半導体に関連した技術は10年以上前から取り組んでいた開発テーマです。新しい技術が市場で立ち上がるタイミングを予測することは困難ですが、中長期視点で多様な研究開発テーマに取り組み、対応力を高め続けることが結果的にその時々で必要とされる需要に応えることにつながると考えております。今後さらに増え続けることが見込まれるお客様からの技術開発テーマに対応するため、このたび羽田R&Dセンターの新棟建設を決定しました。
引き続き「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」に全力で取り組むことでステークホルダーとの価値交換性の向上を図ってまいります。

今後も企業理念である「DISCO VALUES」やWill会計、PIM活動など組織経営と事業経営の両面に注力し「会社を強くする」ことで企業価値向上を図ってまいります。
ステークホルダーの皆様におかれましては一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2023年12月
代表執行役社長 関家 一馬